年金は本当にもらえるのか?

年金は本当にもらえるのか? 年金は本当にもらえるのか?
鈴木 亘

筑摩書房 2010-07-07
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とにかく難しいイメージがある年金。わかりにくいだけではなく、未納、未加入、給付カットと将来の不安は尽きることがない。それでも、厚生労働省は、難解な言葉を用いて年金の実態から国民の目を背けさせ、不適当な数値を使って試算を行い、「年金は破綻しない」と強弁する。では、彼らが教えてくれない「本当の年金」は安心できるものだろうか。一問一答で、年金に関する誤解を解く、誰でもどこからでも読める入門書。付録表で「あなたのもらえる本当の年金額」がわかる。

18のQ&Aを設け、それぞれ簡単に説明している。入門書としてはとてもわかりやすくいいと思う。猛烈に厚労省をこき下ろしているから、溜飲が下がるという人も多いのだと思う。ただ、著者の主張である「厚生年金の労使折半は、実質的には労働者側が全額負担している」という考えには違和感を強く持った。著者の主張では、労使折半とはいうものの、実質的には企業が負担する分をもともと賃金から差し引いているのだから、それは労働者の負担に他ならないというもの。