「水」戦争の世紀

「水」戦争の世紀「水」戦争の世紀
モード バーロウ トニー クラーク Maude Barlow

集英社 2003-11
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久しぶりに新刊の本を買った。
翻訳がなんか下手でちょっと残念だったが、内容は非常に興味を持てる内容だった。水(正確には循環可能な淡水)がもうすぐ枯渇するという話で、さらにその水を商品とする企業があるという話だった。
水道の民営化というのはフランスがそもそもの始まりで、ナポレオンの時代から民営化がスタートしたとか。そして、水企業の中にも三大企業があり、そのうちの一つのスエズという企業は、その名の通りかつてはスエズ運河の工事をした企業らしい。このような巨大企業たちが、次々と発展途上国の水道事業を支配していっているらしい。IMFなどが途上国に融資するときも、その国の公共事業、水道・ガス・電気などの事業を民営化することを条件として融資しているため、そこで売りに出される事業をそのような企業が次々と買収しているという話が書いてあった。民営化した結果、水道料金が上がり水質も悪くなったという事例も多いようだ。
その他にも、車1台作るのに40万リットルの水を使用するだとか、発展途上国の子どもは水の値段が高くて飲めないからコーラばかり飲んでいるとか、そういう興味深い話が詰め込まれていて、ためになる本だった。