日本の公安警察

日本の公安警察日本の公安警察
青木 理

講談社 2000-01
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テスト勉強を昨日の夜やらなかったのはこの本を読んでいたからです。かなり面白いです。1952年の菅生事件などの実例をもとに、戦後どのように公安警察が再建され、活動範囲を伸ばしていったかが書いてある。ちょっと触られただけで「公務執行妨害」で逮捕したりするという公安の手口が紹介されていて興味深い。地下鉄サリン事件の直後には、信者をありとあらゆる法令を駆使して一ヶ月間に100人あまりも逮捕したらしい。それこそ、駐車違反から車検切れ、カッターもっていたら銃刀法違反とか。
こういう手口がオウム真理教にのみ向けられている間はほとんどの国民は支持するのだろうが、要するに公安警察が「壊滅するべし」と思った団体はあの手この手でつぶされ逮捕されるということだから、ある意味恐ろしい。


今まで、反共を拠り所として予算をとり活動してきている公安警察だが、今後どのような方向に向かっていくのだろうか。なによりも公安警察はそのマンパワー強制捜査権が命なわけだから、強制権がない公安調査庁や、実際の人員はほぼいない内調とうまく役割分担しないと生きていけないのではないだろうか。公安警察の人員は、現在でも戦前の特高の人員数を超えているとか。もっとも人口も増えているから、国民一人当たりとかの値にすると減っているのかもしれないが。