初恋

初恋初恋
トゥルゲーネフ 沼野 恭子

光文社 2006-09-07
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ツルゲーネフは初めて読みました。この「初恋」は、ですます調で訳されており、それがとても内容とあっています。繊細で優しい雰囲気がとてもよく伝わってきます。
ウラジーミルという16才の男の子が、離れに引っ越してきた一家の娘、21才のジナイーダに恋をする話です。年上のジナイーダに翻弄されていくウラジーミルの心の動きがとてもよく表されています。誰もがどこかしらでは、あるあるとうなずいてしまうのではないでしょうか。
薄くて読みやすいし安いし、これは光文社新訳文庫のなかでもお勧めの本です。

ああ、穏やかな情感、やわらかい響き、心動かされたときのやさしさや平静さ、恋愛に初めて感動したときのとろけるような喜び。おまえたちはいったいどこへ行ってしまったのだろう。(P.55)