プーチニズム 報道されないロシアの現実

プーチニズム 報道されないロシアの現実プーチニズム 報道されないロシアの現実
アンナ・ポリトコフスカヤ 鍛原 多惠子

NHK出版 2005-06-25
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昨年の10月にモスクワで射殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの本。彼女の本は初めて読んだ。
チェチェンでの人権蹂躙、司法の腐敗、軍隊の腐敗、様々なトピックが書かれているが、やはり一番衝撃的だったのは司法の腐敗。プーチンが掲げている"法の独裁"の足元では、"独裁者的法解釈"が当然のように行われ、罪なき人が逮捕され、罰せられるべき人が大手をふって闊歩している。司法が一部の権力を握っている人間のいいなりになってしまっている。やはり、司法の腐敗というのが一番社会に絶望感を漂わせるのではないか。人間の行動の尺度が狂ってしまい、何を信じてよいのかわからなくなってしまうのだから。
ロシアの経済発展だけでなく、その影に隠れている負の部分のロシアをぜひ知るべきだと思う。