民間軍事会社の内幕

民間軍事会社の内幕民間軍事会社の内幕
菅原 出

筑摩書房 2010-06-09
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イラク戦争の際に登場した「民間軍事会社」は、究極の国家行為である戦争のイメージを大きく変えた。彼らの事業は、要人警護はもちろんのこと、戦闘地域でのロジスティクスから捕虜の尋問、メディア対策、さらには正規軍のカバーに至るまで多岐にわたる。その実態はどうなっているのだろうか。今なお拡大しつづける新ビジネスの全貌を、各企業や米軍関係者への取材をもとに描く。

イラクアフガニスタンで日々活動する民間軍事会社が主題。もっとも上の紹介文にはイラク戦争の際に登場とあるが、シエラレオネアンゴラでも90年代に同様の企業は働いていたとか。
公的セクターが従来になってきた安全保障の分野においても、もはや民間の力なしではやっていけなくなっていることがよく分かる。アメリカでは、軍や警察の訓練を民間軍事会社が受注し、訓練するということも良くとか。
戦地で取材する記者向けの訓練コースもあり、著者が実際に体験した様子が書かれているが面白い。座学だけでなく、地雷原の歩き方などの実地訓練、さらには武装勢力に捕らわれたという想定の下のシミュレーション訓練など、本格的。訓練費用は5泊6日で50万円ほどらしい。