評伝 北一輝〈1〉若き北一輝

評伝 北一輝〈1〉若き北一輝評伝 北一輝〈1〉若き北一輝
松本 健一

岩波書店 2004-01-25
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みえずみえずなる人かげをみおくりて逢はれん思あはれぬ思―明治16年4月3日,孤島佐渡に北輝次(のち輝次郎,一輝)誕生.幼児より眼病を患い,のち右眼失明.中学時代に社会主義と詩歌にめざめ,独自の思想の原型がかたちづくられた.恋に破れ,学問と革命をめざし,混沌の帝都へ.危険な思想家の少年時代.

大学4年の時に一度通読したが、改めて読んだ。1巻は松本健一が昭和46年に書いたものが底本(というより、ほぼそのままらしい)で、佐渡時代のことを扱っている。上京前に佐渡新聞に書いていた原稿を引用し、当時の政治情勢も書いてありわかりやすい。感情移入がいささか過ぎる点も読んでいて感じるが、25歳でこれを書けてしまうというのがすごい。
松本清張北一輝本では、けちょんけちょんに批判されているが、少なくとも、松本清張が、自分が発見者の如く言い立てている”北一輝の種本は竹越与三郎”ということは、松本がすでに46年に書いていて、何をか言わんやというところ。