草の花
草の花 (新潮文庫) 福永 武彦 新潮社 1956-03 売り上げランキング : 48106 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。
朝日の書評で宮崎美子さんがおすすめしていたもの。とても良かった。