遺体: 震災、津波の果てに

遺体: 震災、津波の果てに (新潮文庫)遺体: 震災、津波の果てに (新潮文庫)
石井 光太

新潮社 2014-02-28
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あの日、3月11日。三陸の港町釜石は海の底に沈んだ。安置所に運び込まれる多くの遺体。遺された者たちは懸命に身元確認作業にのぞむ。幼い我が子が眼前で津波にのまれた母親。冷たくなった友人…。悲しみの底に引きずり込まれそうになりながらも、犠牲者を家族のもとへ帰したい一心で現実を直視し、死者の尊厳を守り抜く。知られざる震災の真実を描いた渾身のルポルタージュ

釜石市の遺体安置所をめぐるルポ。どうしても直視することをためらってしまう遺体安置所に関わった人たちについて丁寧に書いている。すべてが壊滅して自治体機能が麻痺し、応急活動など外部に頼らざるをえなかったところもあるが、釜石市は壊滅的な被害を受けた地区と津波被害を受けなかった地区がわかれたために、同じ町民が同じ町民の遺体を扱うことになってしまった。
当時、宮城県でも、利府の総合体育館が遺体置き場になっていて、ラジオで頻繁にその状況が流れていたのを思い出した。