島抜け

島抜け (新潮文庫)島抜け (新潮文庫)
吉村 昭

新潮社 2002-09-30
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読んだ講釈が幕府の逆鱗に触れ、種子島に流された大坂の講釈師瑞龍。島での余生に絶望した瑞龍は、流人仲間と脱島を決行する。丸木舟で大海を漂流すること十五日、瑞龍ら四人が流れついた先は何と中国だった。破船した漂流民と身分を偽り、四人は長崎に送り返される。苦難の果て、島抜けは見事に成功したかに思えたが…。表題中篇をはじめ、「欠けた椀」「梅の刺青」の三篇を収録。

種子島に流刑になった講釈師が、仲間と脱島して中国に流れ着き、その後長崎へ送り返される様子は面白い。吉村昭の小説は、どれも、あったのかもしれないなと思わせるところがすごい。