華族誕生 名誉と体面の明治

華族誕生 名誉と体面の明治 (講談社学術文庫)華族誕生 名誉と体面の明治 (講談社学術文庫)
浅見 雅男

講談社 2015-01-10
売り上げランキング : 163897

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

明治二年に誕生し、現行憲法の発効と同時に消滅した華族制度。そこでは誰が華族となり、「公侯伯子男」の爵位はどのように決められたのか。また、爵位をめぐってどんな人間模様が描き出されたのか――。豊富なエピソードをまじえて華族制度の誕生を解説し、歴史上の意義を問う。実体が忘れられて久しい、名誉と体面の保持に拘泥した特権階級に光を当てた、華族研究の必読書。

「公侯伯子男」と昔ならったが、それ自体は古代中国の周の時代のものをそのまま借用したのだとか。
爵位について、それぞれ基準が定められていたものの、例えば対馬の宗家のように、基準に照らせば本来は得られないような爵位を得た華族もいたとか。また、俗に朝敵の藩は爵位が低いなどとも言われるが、それが誤りであることを簡潔に説明している。あくまでも藩知事としての石高(表高ではなく現高)が基準になるため、結果的にそのようなことになったわけで、朝敵だから爵位が低いとかそういうわけではないとか。個別具体的な話が多く読んでいて面白かった。