されどわれらが日々―

されどわれらが日々― (文春文庫)されどわれらが日々― (文春文庫)
柴田 翔

文藝春秋 2007-11
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1955年、共産党第6回全国協議会の決定で山村工作隊は解体されることとなった。私たちはいったい何を信じたらいいのだろうか―「六全協」のあとの虚無感の漂う時代の中で、出会い、別れ、闘争、裏切り、死を経験しながらも懸命に生きる男女を描き、60〜70年代の若者のバイブルとなった青春文学の傑作。

東京オリンピックの年の芥川賞。主人公の周辺は、みな六全協での軍事路線の否定に衝撃を受ける大学生という設定。まったく実感がわかないのでそんなにショックだったのかなあと思ってしまうが、もしその頃にそのくらいの年代だったら自分もそうなっていたのではないかとも思わせられる。
六全協のときに20才前後ということは、終戦の時には10才前後で、小国民まっさかりだったはず。終戦の時に価値観の逆転を味わったことがトラウマになっていて、その二重体験になっているからより衝撃を受けたのではないかとも思う。