ローマ人の物語〈5〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後

ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(上) (新潮文庫)ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル―ルビコン以後(上) (新潮文庫)
塩野 七生

新潮社 2004-09-29
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カエサルの「3月15日」―人間を、歴史を動かした男の全貌。世界の運命を一身に凝縮させてルビコン川を渡ったカエサルは、たった五年間であらゆることをやり遂げた。地中海の東西南北、広大な地域を駆けめぐり、全ての戦いに勝ち、クレオパトラにも出会った。ついにはローマ国家改造の全改革をなし遂げて、元老院・共和政に幕を引く―。読みだしたらやめられない面白さ、迫真の筆致で描かれるコスモポリス(世界国家)を目指した男の物語。

カエサルルビコン川を渡ってからポンペイウスとの闘争に勝利し、暗殺される。前巻で扱われていた、終身独裁官スッラとの違いとして、スッラは反対するもの全てを粛正したが、カエサルは逆に全てを許したため、相手に許されてしまったという負い目を感じさせ、それが逆に命取りとなってしまったとか。
また、その後のローマ対エジプトの様子も書かれている。クレオパトラをひたすらけなす著者は、何か恨みでもあるのだろうか。「女の浅はかさという言葉は使いたくない」といいながら、クレオパトラに対しては多用しており、けちょんけちょんである。