村上春樹は、むずかしい

村上春樹は、むずかしい (岩波新書)村上春樹は、むずかしい (岩波新書)
加藤 典洋

岩波書店 2015-12-19
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はたして村上文学は、大衆的な人気に支えらえられる文学にとどまるものなのか。文学的達成があるとすれば、その真価とはなにか――。「わかりにくい」村上春樹、「むずかしい」村上春樹、誰にも理解されていない村上春樹の文学像について、全作品を詳細に読み解いてきた著者ならではの視座から、その核心を提示する。

加藤典洋村上春樹と同年代で、これまでも数々の批評を書いてきたんだとか。村上春樹を、単なる大衆小説家ではなく日本近代文学の系譜の中に位置づけ直そうという趣旨で書かれたもの。2013年の東アジア文学者のシンポジウムで、中国韓国では村上春樹は大衆的な人気はあるものの、正統的な文学者からは全く評価されていないことに衝撃を受けたことも書いたきっかけになったのだとか。村上龍との比較などなるほどなあと思わされる。