道路をどうするか
道路をどうするか (岩波新書) 五十嵐 敬喜 小川 明雄 岩波書店 2008-12-19 売り上げランキング : 686156 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本ほど道路建設に金を使い続けている国はない。なぜそれが可能なのか。全国の事例や法制度をさぐると、道路計画や道路特定財源をはじめ、利権集団を支える強固な仕組みが浮かび上がってくる。それが市民生活や行財政にどんな歪みをもたらしているのか。これまでの改革の試みを検証し、「道路国家」を根本から解体する方策を考える。
道路の種類の多さなど勉強になるところもある。ただ、民主党政権直前の著書だから仕方ないかもしれないが、結論で政権交代をアジっているのは興醒め。道路特定財源を一般財源化しさえすればその金額が社会福祉に回ったり生活道路に回ったりするように錯覚しているが、あまりにも予算編成過程の実態を知らないのでは。さらにいえば、全総、国土形成計画をはじめとして旧国土庁系を過大評価しているのではないか。制度を知る上では有益だが、提案についてはそんな考えもある程度に読むべき本。