翔ぶが如く
翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫) 司馬 遼太郎 文藝春秋 2002-02 売り上げランキング : 59096 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容は周知の通り、西郷と大久保を中心に、征韓論論争から西南戦争までを描いている。主人公がいるようでいないのが他の作品と違うところで、西郷隆盛が主人公かというとそうは思えない。一番印象に残ったのは、一般的な本書の感想とは違うと思うが、村田新八。洋行帰りで大久保側についても良さそうだが、鹿児島に帰ればもう戻れないと分かりつつ、西郷に尽くすために鹿児島に帰るところはとても印象的。
司馬遼太郎の功罪は、その小説を読んでその時代が分かったつもりになってしまうことだろう。あくまでも小説なので、渡辺京二のように西郷の南島体験や藩政改革を見過ごしているなどと目くじらたてず、単純に読み物として楽しめばいいのだと思う。