御家騒動―大名家を揺るがした権力闘争

御家騒動―大名家を揺るがした権力闘争 (中公新書)御家騒動―大名家を揺るがした権力闘争 (中公新書)
福田 千鶴

中央公論新社 2005-03
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大名家の相続争いや君臣対立に端を発する御家騒動は、講談・歌舞伎などの格好の題材として庶民の関心を集めてきた。その影響力は甚大で、家中の内紛が幕府に露見すれば即、取り潰しという固定観念が一般に流布する。だが、騒動の実情はそれほど単純だったのだろうか。本書では、黒田・伊達・加賀の三大騒動をはじめ、主要な御家騒動を丹念に検証。下剋上から泰平へという社会変動に着目し、幕藩関係のあり方を捉えなおす。

御家騒動は、幕府が大名を改易するための絶好の口実になったというイメージがあったが、特に江戸初期の頃は、大名家がつぶれないように幕府も気を使っていたことが分かる。実例がいくつも取り上げられており、家系図もついているので理解しやすい。