侍 (新潮文庫)侍 (新潮文庫)
遠藤 周作

新潮社 1986-06-27
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藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生"を通して、人生と信仰の意味を問う。

支倉常長を題材に書かれた小説。主人公が苦労しながらローマに渡り、役目を果たせずに故郷へ帰るも受け入れられない過程で、徐々にキリスト教に理解を深めていく。巻末の解説で、これは遠藤周作自身のことを書いているのだとあったが納得。