革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか

革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書)革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書)
岡田 一郎

中央公論新社 2016-07-20
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一九六〇〜七〇年代に蜷川虎三美濃部亮吉黒田了一飛鳥田一雄など個性的な首長を擁し、脚光を浴びた地方の革新自治体。だが、現在では、「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ。本書は、革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し、その功罪も描く。国政とも深く関係して躍進し、そして消えていった地方の“左翼政権”は何を残したのか。現在の国政や地方自治を再考する試み。

都知事選前にちょうど出された本。著者は筑波大の社会学類出身。
革新自治体のイメージである「巨額の財政赤字」は必ずしも正しくなく、美濃部都政の末期をとらえたものでしかないこと、なぜ革新自治体が消えていったのかは、社共の争いが激しくなり、当初は引き込めていた公明、民社などを自民党サイドに手放してしまったためであることなど、イメージが上書きされていって勉強になる。