今年の3冊

年末ということで、今年読んだ本の中から、ベスト3冊とワースト3冊を選ぼうと思います。当初は今年出版されたものの中から選ぼうと思いましたが、今年出版の本は20数冊しか読んでいなかったのでやめました。
【ベスト】

  1. 鎌田慧六ケ所村の記録―核燃料サイクル基地の素顔
  2. ドストエフスキー悪霊
  3. エドワード・ファウラー「山谷ブルース

1,鎌田慧ルポルタージュの中でも最高傑作だと思う。国策という二文字の裏側にどのような実態があるのか、読む前と読んだ後では感覚がまるで変わってくるはず。社会に出る前に是非とも読んでおくべき本だと思います。
2,前半はそうでもないのだが、読み進めるうちにどんどんスピード感が増してくる。ドストエフスキー作品群の中でも中毒性が非常に高い。カラマーゾフ罪と罰のように知名度は高くないけれど、濃さは勝るとも劣らないと思う。読み終えたあとすぐはそうでもなかったが、時間をおくとじわじわと再読したいという欲が出てくる。
3,これもすごいルポルタージュ。取材対象に完全に同化して書くからこそここまでのリアリティが出てくるのだろう。

【ワースト】

  1. 上坂冬子ほんとうは、どうなの? 原子力問題のウソ・マコト
  2. 中宮崇天晴れ!筑紫哲也NEWS23
  3. 欠番

1,"国策だから"、"決まっているから"ですべて片付け、あとは反対派のレッテル張りに終始する本。まえがきには、著者は中立である旨書いてあるのに内容はどうみても原発のパンフレット。まあそういう本もあって良いかもしれないけれど、まえがきと中身が違うのはどうか。
2,そこまでTBSやNEWS23が嫌いだったら単に見なければいいと思うのだが、執拗に批判を繰り返すので食傷気味。これはアンチTBS、アンチ筑紫派が溜飲を下げるためだけにある本だと思う。じゃあどうすればよいと思うのかという部分が欠けている。それにレッテル張りばかりでその点もマイナス。しかし、Amazonのレビューは賞賛ばかりですね。
3,上2冊が個人的には非常にひどく感じられ、そのレベルの駄本はほかには見つからなかったので、欠番ということにしました。