滝山コミューン一九七四

滝山コミューン一九七四 原 武史 講談社 2010-06-15 売り上げランキング : 7861 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

郊外のマンモス団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。講談社ノンフィクション賞受賞作。

東久留米の滝山団地で小学校時代を過ごした著者の体験を基にした作品。小学校時代のことをよくここまで克明に記憶しているなあとまず驚いてしまった。
全共闘世代の教師に指導されたクラスの児童達が、操られるかのように徐々に校内に影響を及ぼし、支配していく様子は怖ろしいし、著者が六年生の時に”自己批判”を同級生達から迫られるくだりはますます怖ろしい。小学校に限らず、教育に携わる人には読んでみてほしい1冊。