みずから我が涙をぬぐいたまう日

みずから我が涙をぬぐいたまう日 (講談社文芸文庫)みずから我が涙をぬぐいたまう日 (講談社文芸文庫)
大江 健三郎

講談社 1991-02-04
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天皇に殉じて割腹、自死を遂げた作家の死に衝撃を受けた、同じ主題を共有するもう一人の作家が魂の奥底までを支配する〈天皇制〉の枷をうち破って想像力駆使して放つ“狂気を孕む同時代史”の表題作。宇宙船基地よりの逃走男が日本の現人神による救済を夢見る「月の男」。―全く異なる二つの文体により、現代人の危機を深刻、ユーモラスに描く中篇小説二篇。

「水死」にこの「みずから我が涙をぬぐいたまう日」が出てくる。水死の発行を機に復刊されたらしい。