南京事件―「虐殺」の構造

南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書)南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書)
秦 郁彦

中央公論新社 2007-07
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満州事変以来、十数年にわたって続いた中国侵略の中で、日本軍が最も責められるべき汚点を残した南京事件とは?日本軍の戦闘詳報、陣中日誌、参戦指揮官・兵士たちの日記など、多数の資料を軸に据え、事件の実態に迫る。初版刊行以降二十年余、虐殺の有無や被害者数など、国の内外で途切れることなく続いた論争の要点とその歴史的流れをまとめる章を新たに増補。日中双方の南京戦参加部隊の一覧、詳細な参考文献、人名索引を付す。

名古屋市長の発言を契機に読んだ。昭和61年発行の旧版に追記した新版。1〜8章が旧版で、9、10章が追記された箇所。概論として知るにはちょうどいい一冊だと思う。人数の多寡はもう誰にも分からないが、落城直後の南京で大規模な虐殺、非行があったことは否定できないと思う。ただ、もはや事実関係の論争から離れてしまい、政治論争になってしまっているのがこの問題をこじらせている要因だと思う。