憂い顔の童子

憂い顔の童子 (講談社文庫)憂い顔の童子 (講談社文庫)
大江 健三郎 リービ 英雄

講談社 2005-11-15
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小説家、「ドン・キホーテ」と森へ帰る。 滑稽かつ悲惨な老年の冒険をつうじて、死んだ母親と去った友人の「真実」に辿りつくまで。魂に真の和解はあるのか? 「取り替え子」から続く、感動の長編小説。

レイトワークの長江シリーズ第二作。今作では、四国の出身地に長江が帰り、そこで暮らしはじめる。しかしながら、親族と一部の例外以外には受け入れられず、トラブルが続く。読んでいると、著者の故郷に対する微妙な思いが感じられる。自然環境は懐かしいが、かといって故郷の人間環境については正面から懐かしいといえず、どこか距離を置いている。