中国史(下)

中国史(下) (岩波文庫)中国史(下) (岩波文庫)
宮崎 市定

岩波書店 2015-06-17
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下巻には近世史(宋―清)と最近世史(中華民国中華人民共和国)を収める。宋では貴族が没落して庶民階級が興隆し、君主独裁制が確立した。著者は宋に発生した文化は頗る優秀なもので西洋文化にひけをとらず、東洋の近世文化は欧州の近世文化に影響を与えたと結論づける。また、歴史学は単なる事実の集積ではなく、論理の体系であるべきだと主張する。巻末には自著解説と自跋、年表、索引などを付す。

宋から現代まで。下巻も面白い。宋=元、明=清は基本的に繰り返しになっているとか。また、明は元の時代のやり方を引きずって、役人に対して責任を常に追及し、すぐに死罪にしたんだとか。
中華民国以降は駆け足での紹介になっているが、文化大革命については率直によく分からないと書かれている。1949年以降、本当のことが良く分からなくなったとも書いてある。
これを読むと、数百年単位で見て王朝交代が続いているのだから、今の共産党政権も時期が来ればひっくり返るのだろうと思う。