カリギュラ・誤解

カリギュラ・誤解 (新潮文庫)カリギュラ・誤解 (新潮文庫)
アルベール・カミュ 渡辺 守章

新潮社 1971-01
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ローマ人の物語でカリグラのあたりを読んだので、今これを読まないとずっと読まないだろうと思い手に取った。新潮文庫の古本を昔買ったものだが、今はもう絶版になっているようだ。
カリギュラ」は暴君が最後は家臣に殺されるのだが、印象的な台詞が多い。「カリギュラだ!」や最後の「おれはまだ生きている!」など印象的。演劇で見たらインパクト強いだろう。もっとも、不条理に立ち向かうカリギュラという印象はあまり持つことができなかった。
それよりも「誤解」のほうが良かった。故郷をすてて成功した息子が故郷に帰るが、母親と妹はそれに気づかず殺害してしまうというもの。母親と妹は旅館を営み、旅人を度々殺すことで臨時収入を得ていた。登場人物も6人しかいないがインパクトが強い。