トレブリンカ叛乱――死の収容所で起こったこと1942-43

トレブリンカ叛乱――死の収容所で起こったこと1942-43トレブリンカ叛乱――死の収容所で起こったこと1942-43
サムエル・ヴィレンベルク 近藤 康子

みすず書房 2015-07-24
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70万以上のユダヤ人が殺害されたトレブリンカ収容所で、日々何が起きていたか。特別労務班員として生き続けた著者が伝える、謎に包まれた死の工場の実態。

トレブリンカに移送されたその日に偶然ゾンダーコマンドに選ばれたために生き延びることができた著者の手記。叛乱を起こして脱出し、ワルシャワに潜伏して1944年のワルシャワ蜂起にも加わっている。
トレブリンカの様子は戦慄というほかない。著者はガス室送りにされた人たちの遺留品を片付ける役だったそうだが、自分の姉妹の衣服をその中から見つける場面は想像を絶する。
ワルシャワ蜂起においても、ポーランド人とユダヤ人の間はけっして良くいっていたわけではなく、ユダヤ人というだけで殺害されたりしている。ただナチスだけが残虐なわけではなく、ドイツ人もポーランド人もロシア人ももちろん日本人も、誰しもがそういう面を持っているのではないかと思ってしまう。