政令指定都市 - 100万都市から都構想へ

政令指定都市 - 100万都市から都構想へ (中公新書)政令指定都市 - 100万都市から都構想へ (中公新書)
北村 亘

中央公論新社 2013-07-24
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かつて政令指定都市といえば、横浜や京都など日本を代表する「華やかな百万都市」を意味した。しかし市町村合併推進のため、従来のイメージからほど遠い都市が次々移行した結果、その数は二〇に達した。一方、近年の経済的停滞により税収は激減し、老朽化した施設や生活保護への対応が重荷となっている。「大阪都構想」などの改革で大都市は甦るのか―。歴史や統計、インタビューから、日本の大都市統治を問い直す。

戦前からつづく大都市制度をめぐる事情について丁寧に書かれていてわかりやすい。戦後、都道府県からの独立を目指しながらも果たせず、妥協案として作られたのが政令指定都市のもともとの始まりだったとか。
著者は伝統的な大都市に思い入れがあるようで、最近雨後の竹の子のように出てきた後発組の政令指定都市については、ふさわしくないと否定的。また、政令指定都市は多大な昼間人口を抱え、限られた税収を税を落としてくれない人のために使わなければいけないと嘆き、財源や権限を移して経済を牽引できるようにすべきと、ある種素朴な記述もある。