海辺の光景

海辺の光景 (新潮文庫)海辺の光景 (新潮文庫)
安岡 章太郎

新潮社 2000-08
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不思議なほど父を嫌っていた母は、死の床で「おとうさん」とかすれかかる声で云った──。精神を病み、海辺の病院に一年前から入院している母を、信太郎は父と見舞う。医者や看護人の対応にとまどいながら、息詰まる病室で九日間を過ごす。戦後の窮乏生活における思い出と母の死を、虚無的な心象風景に重ね合わせ、戦後最高の文学的達成といわれる表題作ほか全七編の小説集。

高知の夏の暑さ、息が詰まる感覚が伝わってくる。臭いを執拗に書いているのがすごい。