ノモンハンの夏

ノモンハンの夏ノモンハンの夏
半藤 一利

文藝春秋 2001-06
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司馬遼太郎氏が最後にとり組もうとして果たせなかったテーマを、共に取材した著者がモスクワ・ベルリンの動静を絡めつつ描いた傑作

ノモンハン事件を書いているが、戦闘の描写だけではなく、三国同盟締結をめぐる政府内の争い、ヒトラースターリンの駆け引きなど場面を変えながら昭和14年の夏のことを書いている。関東軍と東京の参謀本部との間で、意思疎通がまったくできておらず、いたずらに戦線が拡大していくのは読んでいてやるせなくなる。独ソ不可侵条約が成立するのを待ち、スターリンが安心して攻勢に出たことは初めて知った。