民法風土記―「法の現場」を歩く

民法風土記―「法の現場」を歩く民法風土記―「法の現場」を歩く
中川 善之助

講談社 2001-02
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全国を広く踏査し、現代親族法の基礎理論を構築した民法学の泰斗中川善之助博士の小論集。調査・研究旅行の際に目にし耳にした、さまざまな人びと、風景、風俗を、その土地土地で起った民事事件やその歴史を振り返りつつ、ユーモアをまじえた人間味あふれる文章でつづった名エッセイ。

終戦前後に国内各地をめぐり、様々な慣習法の収集に努めた著者が「法学セミナー」に書いたエッセイ。宮本常一を思わせる。著者がもっとも関心をもっている末子相続についてはあまりぴんとこなかったが、下北半島の先端にある「共産部落」の話など、興味を引く話が多々あり面白かった(共産部落といっても、全員共産党員という意味でなく、原始共産制のような生活を送っているという意味らしい)。