農山村は消滅しない

農山村は消滅しない (岩波新書)農山村は消滅しない (岩波新書)
田切 徳美

岩波書店 2014-12-20
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増田レポートによるショックが地方を覆っている。地方はこのままいけば、消滅するのか? 否。どこよりも先に過疎化、超高齢化と切実に向き合ってきた農山村。311以降、社会のあり方を問い田園に向かう若者の動きとも合流し、この難問を突破しつつある。多くの事例を、現場をとことん歩いて回る研究者が丁寧に報告、レポートが意図した狙いを喝破する。

今の仕事上必要なので出てすぐに買って読んだ。現場を良くご存じの著者が様々な事例を元に論じている。
著者も最後のほうで少し述べているように、仮に田園回帰の流れが今後加速化して20、30代の若者が農山村に入っていっても、子どもたちが進学するタイミングでやむを得ずまた都市部に出たりしてしまう。職場だけではなく「なりわい」で収入を得るパターンは、夫婦2人や子どもが小さいうちはいいのかもしれないが、子どもが大きくなってくるとよほどうまく組み立てていかないと破綻してしまうおそれが高い。
こういう類のものを読んでいると、新潟の山の奥から出てきて今は東京に住んでいる自分の生活がこれでいいのかといつも考えさせられる。