中国史(上)

中国史(上) (岩波文庫)中国史(上) (岩波文庫)
宮崎 市定

岩波書店 2015-05-16
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内藤湖南以来の京都東洋史学の学風を継承、発展させた宮崎市定(1901―95)。本書は唐と宋の間に明確な時代の分岐を見る独自の理論に基づいた通史で、文章は平易で論旨は明確である。上巻では歴史とは何かを問い、主な時代区分論を紹介し、古代から最近世までそれぞれの特徴を述べて、夏殷周から唐五代に至る歴史を概観する。

岩波全書の名著だったそうでその文庫化。最初に、中国史における中世がいつからか、近世がいつからかなど、時代区分についてかなり細かく書かれている。その後、古代から中世までの通史が書かれている。漢の高祖について書かれた部分で、独裁者はいずれも、辺境の地、文化の境目の地にうまれるというのが面白い。ヒトラーオーストリアスターリングルジアなど、なるほどなあと思わせる。